3.飛行機の翼の周りの気流 |
飛行機の翼の場合、人間や搭載された重い荷物を支えるために厚さが必要な翼は、単純な平面ではなく、図のように流線型をしていますが、このことを無視して平板と考えても、現象の説明には、差し支えありません。だから、以下の説明は、この差を無視して行います。実際、風に平行に置かれた薄い板は流線型ですので、第一次世界大戦の頃は、翼は単純な平面で、これを上下に二枚設け、この二枚を柱で支えることによって、重量を支えていました。また蝶の翼は平板翼です。 |
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4.従来の凧面の周りの気流 |
まず申し上げたいことは、これまでの凧と飛行機や鳥との違いは、迎角が異なる点です。これまでの凧は、迎角がある一定の角度、平板翼では、通常10度を超えて30度(三角定規の最小の角度)程度に大きく設定されています。これに対して、飛行機や鳥の場合、10度以下の通常4度〜6度に採られています。糸で拘束され、自然の風を受けて飛んでいる凧の場合、エネルギー消費はしませんから、飛行機と違って抵抗を受けてもエネルギー的には問題がありません。したがって従来の凧は、10度よりも遥かに迎角を大きく設定して飛んでいるのです。迎角が大きいときの気流の状態を示したのが左の図です。図は、迎角が大きい場合流れ面からはがれていることを示しています。このような迎角では、抗力は迎角が小さく流れが面から剥がれていない場合の抗力の10倍以上になります。このような状態を飛行機の場合は、失速した状態といいます。この現象は、迎角がある限度を超えて大きくなると、突如として起きる現象で、飛行機は急速に速度を落として墜落します。名古屋空港で外国から飛んできた旅客機が失速を起こして墜落したことは、有名な話です。この失速を起こす迎角を失速角といいます。 |
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Last Update : 2010-01-28 |
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